乳がん検査に行ったら手術することになったお話 ①
しこりを見つけてから受診→手術→診断と、怒涛のように過ぎた2ヶ月間でした。
終わってみると自分の身に本当に起こったことなのかどうか信じ難い気持ちですが、
手術の傷痕を見るとあの2ヶ月は自分の身に起きたことなんだと思い出されます。
幸い診断結果は「乳がん」ではありませんでした。
とはいえ、私にとっては初めての大きな病気と手術。
手術後も診断結果が出るまで安心できず、先の見えない不安を感じていました。
普段生活をしているとついつい忘れてしまう健康の大切さ、
支えてくれる家族やまわりの人のありがたみ、
そして、
昔と変わっていないと思っていても体はきっちり年を重ねている
ということを思い出させてくれる経験になりました。
最後までがんばった自分をほめてあげたいと思います。
① 自覚症状~初診 ←今回の記事
② 検査結果~手術前検査
③ 手術当日
④ 術後~診断結果
番外編 手術代、医療費総額
自覚症状(3/8)
きっかけは些細なことでした。
下着をつけようと胸を触ったときに指先に感じた違和感。
何かある…。
左胸の乳首の少し外側に丸い塊がありました。
去年の秋、ピンクリボンのイベントに参加し、
「長らく検査を受けていないから次の健康診断(毎年夏頃)ではオプション追加しないといけないかな。」
などと考えていた矢先のことでした。
それまでに痛みなどは全くなかったのでとにかく驚きました。
がんと聞いて思い浮かぶのは「放射線治療」。
よくドラマ等で描かれている、治療の副作用で嘔吐したり髪の毛が抜けたり…
といった壮絶な闘病生活の場面をが頭に浮かび、怖くてたまらなくなりました。
5年ほど前、乳がん検診を受けた際、再検査を勧められたことがあります。
その時は「石灰化」という診断で問題はありませんでした。
祖母が乳がん患者だったので人よりも気を付けないといけない状況だったにもかかわらず、
・問題ないという診断に気を許してしまったこと、
・その後色々な事情が重なり検査受ける機会がなかったこと、
・めんどくささにかまけて積極的に検査を受けなかったこと*1、
をとても後悔しました。
病院予約(3/11)
以前の乳がん検診で再検査を勧められた際に紹介してもらった病院が良かったので
今回もそちらで診てもらうことにしました。
検査担当の先生におすすめの乳腺外科を2~3件教えていただいた中から
・家から通いやすいこと
・ネットの口コミ評価が良いこと
・HPの情報(担当医師の経歴と最新の医療機器がそろっていること)
を考慮して選んだように記憶しています。
初診(3/19)
こちらの病院での検査はマンモグラフィーと3Dエコー。
その情報をもとに先生がエコーで気になる箇所を診断されます。
このエコー検査で先生が悩んでおられたのが最初に不安を感じた点でした。
しこりの部分がエコーでは見えにくいとのことで、
追加で2つ検査をすることになりました。
1つは造影剤を点滴してのCT検査。
もう1つは細胞診と組織診。
「吸引式乳房組織生検装置」という大きな注射器のようなもので患部の細胞を削り取り検査するものです。
細胞は均一で金太郎飴のようにどこを切り取っても同じですががん細胞は不均一。
そのため少し大きな“組織”として切り取ることで検査の精度を上げるそうです。
痛みは麻酔のちくっとした痛みのみ。
組織を削り取るときにバチンという大きな音がしますが、麻酔が聞いているのか痛みはなかったです。
内出血を予防するため患部を冷やしながらは15分ほど休んで終了。
体に針を刺すという行為は小さいころから苦手でしたが、大人になっても慣れないものですね…。
病室のベッド患部を冷やしながら寝転んでいると
流されるままに過ぎた検査にようやく脳みそが追い付いてきたのか
不安な気持ちはどんどん大きくなっていきました。
悪い考えばかりが浮かび、泣きそうになりながら病院を後にしました。
4時間くらい病院にいたようで心身ともにぐったりとしていました。
麻酔が切れた後から1週間ほどは少しの痛みと内出血っぽいあざが残りました。
約3㎜ほどの針の痕があったので、その痛みにも納得でしたね。
今思うと、この検査の日が精神的に1番辛かった気がします。
「大丈夫、問題ない」という診断を期待しすぎていました。
検査結果が出るまでに時間がかかることや
多数の検査が追加されたことで不安が大きくなり
感情の整理が追いつかなくなくて混乱していたんだと思います。
便利な時代なのでネット検索すると様々な情報が溢れているんですよね。
乳がんと診断された方や、
長期間闘病生活をしている方のブログ。
その日は不安を増大させるような記事は読まないようにし、
【「しこり」=「乳がん」とは限らない】といったような記事を読みながら
「大丈夫!」と無理やり自分を納得させていました。
一晩経つと意外なことに気持ちは落ち着いていました。
もちろん不安が消えたわけではありませんでしたが、
今更どう足掻いても変わらない過去(長い間検診に行かなかった後悔)と
不確定要素が多い未来(がんだった場合の治療等)については
極力考えないようにしようと思いました。
そして、今ある状況(しこりがあるという事実)だけに目を向けて
「この状況をどうしていくのが自分にとって一番いいのか」ということを
なるべく感情を入れないようにしながら一歩引いて考えていました。
その結果、
「この先生きていくのに不安な要素は取り除いておきたい」
「(良性であったとしても)体内の異物は取ってしまった方が安心できる」
という考えに行きつき、手術の意思はほぼ固まっていました。
多少気持ちの浮き沈みはありましたが、
思ったよりも冷静に過ごすことができ、精神衛生上、楽に過ごすことができました。
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